リフォーム工事の口利き屋

マスコミ界隈で「悪徳リフォーム業者」が特集されることは多くあります。訪問販売的に営業され、「外壁が傷んでますよ?」とか「外装がもう限界ですよ?」などと言葉巧みに営業し、ちゃんと工事を行うどころか、もはや素人が行った工事だとか、不要な補修工事を行い多額の追加工事を後から請求してくるなどのトラブルが多発しているのが実態です。

本来は建物の所有者が信頼できるメンテナンス担当会社に相談し、専門家が状況を把握し補修や改修計画を提案するという流れが理想ではありますが、意外と所有者さんがそういった業者との繋がりが希薄だったりで「どこに頼んでいいかわからない」というケースが圧倒的に多いことも現実です。そうなりますと、自らが業者を探し相談することになりますが、「工事費」の問題もあって複数の話しを聞くことになり、金額の安いところを選択するという流れが一般的かと思います。

ですが、先ほども書いた通り、どんなメンテナンスが必要か?、現状がどのようなレベルの問題なのか?など、調査や診断が必要で、それなりの知識や経験が必要なわけですが、最終的な金額の問題になれば当然、対応する手法が違えば金額が違うわけで、複数のところから工事金額の見積を取るとしても内容の信憑性はバラバラであるということになります。とはいえ、まずは業者探しということが所有者さんにとっては重要な行動なわけですが、今回は一つの「FAX」をご披露します。

これは弊社に送られてくる「リフォーム工事あっせん業者」からのFAXです。弊社はFAXを紙で受け取ることはありませんので、FAX連絡の用紙代が掛かることはありませんので、来れば画像ファイルを消去するだけのことですから特段経費はかかりませんが、紙で受け取るような会社ですと、かなりの量のFAXが印刷されますので経費がかかります。もはや迷惑千番なFAXですが、話題にしたいのは、

リフォーム工事あっせん業なるものが存在している。

という実態であって、これを知っていただきたいというものです。黒塗りの部分はその業者の名称や連絡先、担当者が記載されています。そしてその業者が開設しているホームページの存在も確認しています。一般の顧客からの問い合わせ窓口となっているホームページで、おそらく、

「リフォーム 外装 工事見積」

などの検索キーワードでヒットするような形にしていると思いますし、また、所有者さんが修繕や改修を検討するのにネットを探すと出くわすということになるんでしょう。お気軽に規模などを入れると、後日、見積金額などの相談結果が送られてくるなどが想定されます。最近ですと自動車保険料の一括比較などのサイトや、車の買取額の査定サイトなど、よく似た趣旨のサイトは多いわけで、リフォーム工事においても同様であると言えます。

これだけなら何の問題もありません。ビジネスは自由ですし、新たなシステムで利便性を上げることは必要だと思います。でも、このFAXの裏に様々な隠されたことがあり、他の業態ではいざ知らず、建築業としては非常にグレーゾーンであると考えています。

このFAXの内容をそのまま受け取ると、

・自宅の外装塗装を考えている方から問い合わせを受けた
・ハウスメーカーで建築されており、問い合わせて見積をとったら240万かかると言われた。
・工期は特に定めない
・金額が安くなれば依頼する

ということなんですが、まずこのFAXを送ってきた会社は「福井県」に存在していませんw 東京です。東京の会社から福井のリフォーム工事の「紹介」がきたわけですが、その流れは、ネットで検索されてとりあえず問い合わせフォームに入力したものを、その業者が福井で工事ができる会社を、おそらく「業者名簿」などから一斉にFAXを送ってるものと推測します。

まぁ、ここまでならそれはそれでビジネスでしょうから仕方がありませんが、このFAXの問題は、

「本当に工事が予定されているのか?」

という1点で大きな疑義があります。実はこれが厄介で、このFAXが単なる「釣り」で目的は他にある場合があるということです。目的は「登録料」という名目の「口利き料」あるいは「紹介料」を我々のような業者から集めることにある場合が多いということです。

このようなFAXを受け取って、この会社に連絡を入れたとします。すると、

「提携先会社」

としての登録を求められ、そのための「登録料」や「システム利用料」などの目的で、月額いくらとか、年額いくらとか、あるいは入会費ということで、かなり高額の請求がなされるという仕組みです。さらに大きいのは「紹介料」です。

この手の会社は、工事金額に対してある一定の割合をかけて「紹介料」を請求してきます。カードやQRコード決済での利用手数料を取引額の数%取られるのと同じですが、その率が桁違いですwww 弊社はこんなFAXに応答することはありませんが、伝え漏れ聞くところによりますと、工事金額の10%から高いと30%もの手数料を請求されることがあるようです。

つまり、所有者さんが安く何とかしたいと考えて、普通に地元の業者にお願いした場合、100万円で済む工事があったとすると、実際には、110万から130万、それ以上の工事金額になるというわけです。おかしくありませんか?w 安くしたいと考えて、ネットを色々と調べて問い合わせたにも関わらず、実際には高くなるという構図があるというわけです。

このFAXに記載されている、ハウスメーカーから240万の提示があったことを事例にすると、仮にこれを220万で行う会社がいたとすると、紹介料の割合を引くと、実際には200万切る金額でできている可能性もあるというわけです。ざっくりと工事金額の構成を書けば、

「工事経費」+「利益」=「工事金額」

ですから、そこに、

「工事経費」+「利益」+「紹介料」=「工事金額」

となれば高くなるに決まってますw でも、この「利益」の部分を削ってでも「紹介料」分の影響を引くする業者もいることは事実です。普通にやるよりも利幅は少ないわけですので、なんとかそれに見合うやり方をしなければなりません。そうなれば、考えることは短期で工事を終わらせることがもっとも効果的ですので、短納期の工夫を知らない業者であれば、

「なんらかの工程を省く」

という工事になる可能性があるというわけです。言い換えれば、この手のシステムを利用した一般の所有者さんが、何も知らずに「損」する可能性があるというわけです。

また、法的な問題も絡んできます。建設業許可というものが必要な工事として、

「請負金額が500万円を超す工事」

というルールがあります。建築一式の場合には1500万というボーダーになりますが、外装塗装や屋根工事などは、建築一式ではありませんので、500万を超せば許認可が必要になります。今回のFAXのような事例は単なる紹介者だという立場ですが、これが「工事窓口」として所有者さんとの間に「工事契約」を行うとなると、このFAXの業者が500万を超す工事を扱う場合には「建設業許可」が必要になってきます。

また、法の原則として、建設業許可のない会社に発注者としてその事実を知りながら工事を請け負わせることは、建設業法の理念上、NGとなります。

マスコミが騒ぐ「悪徳リフォーム業者」と同じレベルで、こうした「リフォーム工事の口利き屋」なる業者が存在していることを知ってほしいと思います。




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