一昨年、そして昨年3月くらいまで、大騒ぎだった改正基準法施行開始ですが、4月から改正法のモードにはいって、設計現場も審査機関も大混乱でした。抜本的な改正として建築物の区分がかわり、緩和規定により確認申請にて審査省略の恩恵を受けてきた「旧4号建築物」というものがなくなり、一般的な木造住宅においても、これまで非住宅で特殊建築物(以下、特建)で受けるレベルの審査が必要となり、特に、構造面での審査がなされることによって、構造規定そのものを理解していない自称専門家が炙り出される結果になりました。
このブログでも何度も取り上げ、コメントしてきたように、評価ルールがちょこっと変わっただけで、構造そのものの規定や審査手法が変わったわけではありませんので、普通に設計していた設計士であれば、特段、何の問題もなく審査に出せるようなレベルの改正だったのですが、それでも審査機関が混乱し、また、対応する設計士までもが混乱するような状況に陥いったのは、もはや、「舐めた設計をしてきたツケ」が廻ってきたにすぎませんw
さて、今回の改正基準法の施行では、構造規定の中の「壁量計算」と「柱の小径基準」という部分での評価方法が変わっています。ざっくり言いますと、「軽い屋根」「重い屋根」の区分により、必要壁量などを算定する規定でありましたが、省エネ性能のアップのために設備、開口部仕様、断熱材仕様をとることにより、これまで想定していた荷重よりも重い建物が多くなるため、実際に用いられている建物仕様に細かく対応することで、荷重量を算定し、その荷重に応じた「必要壁量」や「最低の柱小径」を算出し、計画と比較し数値が上回っているか?ということを求めるようになったわけです。
ところが、この手法が「対応できない!」という一部の声を国交省が拾い上げることになり、
地階を除く階数が2以下、高さが13m以下および軒の高さが9m以下である延べ面積が300㎡以内の木造建築物
については、旧法による「壁量計算」と「柱の小径基準」でもよいという、なんとも言えない「経過措置」が「1年間の限定」で設けられたというわけです。
正直、何のための、ダレトクな「経過措置」なのかわかりませんw たかが評価方法が変わっただけで、設計業務に支障が出るというというのは、それまで標準的に運用していたその会社や設計者の「仕様」に問題があるからでしかありません。しかも「経過措置」はその他の法規制の変更には適用されず、構造規定の壁量と柱の小径のみの措置ですので、それだけできないという理由が全くわかりませんw
まぁ、そういう会社もあるんだろうと思いますが、経過措置については、国土交通省から以下のような説明が明確に示されています。

https://www.mlit.go.jp/common/001627103.pdf
また、確認申請の時期、済証発行の時期、工事着工時期、完了検査時期による扱いの違いも資料として公開していますが、これは経過措置を使う使わないに限らず、法施行日以前に済証発行、着工しているものについての扱いの違いで、特に「計画変更」の部分の扱いが重要になっています。

https://www.mlit.go.jp/common/001627103.pdf
実は、弊社にも、4月1日前に済証を受けており、着工が4月以降にずれ込んでいる物件があるのですが、それについての問い合わせが建築指導課からありました。特に「計画変更がある」場合には少々ややこしいことになるわけです。
とはいえ、設計も現場監理も、改正法を元にした流れで行っていれば、どうなってもの問題はありませんし、評価の方法が変わっているだけで、ダメなことが増えているわけでもありません。したがって、これで困るという感覚がどうしても理解できないのですw
というわけで、あと2か月で経過措置も終了です♪ 終了したらしたでまた混乱するところが出てくるんだと思いますが、これから建築する方にはこうした設計対応、現場監理対応にも目を向けていただきたいと思います。


